自宅で家族介護をしている家庭は、介護に要する時間が多く取られることによって日常生活に大きな負担がかかることがあります。特に、介護を必要とする側だけでなく介護者もお互いに高齢である老々介護では、双方の身体的な負担も大きくなりがちです。そして、結果として介護疲れにより心身のバランスを崩してしまう人も多く存在します。

このような介護者の介護負担を軽減するために、訪問介護や通所介護施設、短期入所施設の利用が挙げられます。しかし、これらのサービスが利用できることを知らず、介護認定を受けていない家族がいることも大きな問題点です。また、中には人の助けを借りるということを嫌う人や、介護を人に迷惑をかけることと考えているが故に介護サービスを利用しない家族もいます。このように、介護サービスが正しく理解されていないことも課題として挙げられます。

介護サービスは、お世話になる、面倒を見てもらうわけではなく、あくまでサービスの一種です。家族介護において重要なことは、家族が介護について正しい知識を持ち、適切なサービスを受けられる環境を作ることです。そのためには介護者以外も積極的に介護について調べ、周囲の人たちみんなでしっかりとサポートをしていかなくてはいけません。

大切な家族のためだからと必要以上に無理をしてしまうことは、逆効果につながる可能性もあります。ときには介護サービスを利用し、周囲の人の手を借りながらゆとりを持った家族介護を行うことが、介護を必要とする家族と長く無理なく付き合っていくための重要なポイントです。